さくら さくら…
桜にまつわる詩歌 散文
溢るるほどに 数多な歌
歌い継がれる 多様な名曲…
ひと春の 同じ場所に限れば
満月から新月まで さえも
咲き誇ること叶わぬ 束の間の桜花たち…
終ぞ 忘れ得ぬ存在として
我々日本人の心を 掴んで離さない
儚くも凛とした花たちは 雄々しく
今や 日本国内に限らず
その魅力 最たるものの様である
我々日本人に とっての
桜に対する想いを 鑑みる時…
単に視覚的なものに のみ
心惹かれている訳でも無い様に 想える
物心付く 幼い頃から
梅の開花や 明るい空気の色に
春の訪れを 知り…
人知れず蕾を膨らます 桜に
控えめで奥ゆかしいと和み また共感し
その膨らみ具合に 心焦がし
今年の見頃はいつ頃 などと
余計なことにまで 想いを巡らす
然もどの桜にも 穏やかな眼差しで
知らず知らずに 心中語り掛けてしまう
花が満開になる 嬉しさに
本当は思わず 桜木を抱き締めたくとも
控えめで恥じらう 日本人は
そんなことを する筈も無く
増してや 言葉にすることも無い…
桜の花は 咲き誇る時も散った後も
紛れも無く その本質に変わりは無い
それを古(いにしえ)より知る 我々日本人
その根幹に 脈々と紡ぎ流れている
儚くも強き「潔く散ると言う美学」…
言葉で表そうにも
日本語の持つ「言の葉」でなければ
叶うことの無い「もののあはれ」の数々
白虎隊士中弐番隊 そして神風特別攻撃隊
彼らの心中に 想いを馳せる時
その根底に脈打つ 普遍的なものが見える
今生に培ったもの 全てを捧げ
ひとの為に尽くし 自らの人生に幕を引く
そこには狡猾さや
邪(よこしま)な心は 一切存在しない
清潔で穏やかな 日本の風土に育まれた
桜の花と 日本人の心…
さしずめ 互いにとっての
弛まぬ「かげおくり」なのかも知れない
いのち短し 恋せよ乙女
我が胸焦がす 命の花よ
ああ何時までも 忘れてくれるな
君らの幸せ 願って止まぬと
かけがえのない 命の花よ
幾とせのちに 新たな花を
溢るるほどに 咲かせて欲しい
君よ 花よ 永遠(とわ)に …
日本の国に咲き誇る浪漫
潔きものたち へ…