小さい秋見付けた 五十五年前の追想…
小さい秋 小さい秋 小さい秋 見付けた
小さい秋 小さい秋 小さい秋 見付けた…
誰かさんが 誰かさんが 誰かさんが 見付けた
小さい秋 小さい秋 小さい秋 見付けた…
新譜として発表されて間も無く
私の同級生 ひろちゃん こと 博之くんが
我が家の檜葉の垣根の直ぐ傍で
何気無しに 口ずさんでいた
一緒に遊ぼうとして 家の勝手口から
出て行ったら
近所のおっちゃんが ひろちゃんに声を掛けた
「 何歌ってるんだ 上手だなー 」
ひろちゃんは 顔を真っ赤にして
とても恥ずかしそうに 走って行った
当時は テレビが普及して間もない頃で
今では 伝説の様に語り継がれる歌や
様々な風物詩を
ほぼタイムリーに体感することが出来た
本当に 面白い時代だった…
博之くんは 私と
何をして 遊ぶつもりだったのだろうか
終ぞ 聞かずじまいで 終わってしまう…
昭和三十年代半ばの
秋の日の想い出 より…