残された心 と インザムード
私が そのミュージックテープを購入したのは
1,979年だったろうか
私にとって印象に深い楽曲が沢山収められた
市販のカセットテープがあった
然もそれは
ほんの束の間の販売だった様に記憶する
作詞作曲は来生姉弟のものが多く
詩と旋律のバランスが素敵で
作られたものと言う感じが薄かった
聞き流してもお洒落であり
じっくり聴いても味わい深く素敵だった
些か心に染み入ると言うか…
そんな感じでもあった
兎に角
洗練された佇まいの楽曲が多かった
歌手は 伊東ゆかり…
テープはディスクと違い
劣化が激しい上に
そもそもの存在理由が無くなった為か
時代の流れと言う
如何ともし難い葛藤に飲み込まれ
レコードの様に
レトロなものとも認識されず
消えて行くのを引き止める術も無い
収められていた楽曲は
あなたしか見えない
あなたの隣に
もう一度
そして…
エンドレス
約束だけロマンティック
残された心
イン・ザ・ムード
など など…
いちユーザーにとっては
良く分からないことなのだが
何故に束の間の販売であったのかが
謎である
同時期に販売されていた
LPレコードはあったが
幾つかの楽曲を除き
その内容は大分異なるものだった
大切に仕舞っていたのだが
三年前の貰い事故の時
車と一共に藻屑となって仕舞った
私のお気に入りは
インザムード と
残された心
だった…
詩と曲の旋律が絶妙に相まって…
都会の雑踏や
そこから逃れた時の妙な静けさ
若さゆえの浪漫チックな夢や幻想
全ての不安を掻き消してしまうほどの
これからの素敵な出逢いの予感さえも
そして 若さに不釣り合いな
粋な別れとか…
そんなもの達が溢れる曲だった
詩も 曲も つまりは
持って生まれた 才能なのかも知れない …
我が心のミュージックテープ より…